【AI活用】大量キーワードを一括でトピッククラスター化する方法

業務効率化

執筆者プロフィール

出口 良一

株式会社デジタルトレンズのSEOコンサルタント。SEOとSNSの両領域を担当し、媒体を横断した多角的な視点でWeb集客をサポートしている。現在は生成AIを実務に積極的に取り入れ、リサーチの深化やトレンド分析の効率化を推進中。最新手法を迅速にキャッチアップし、スピード感を持ってお客様の成果創出に邁進する。

「サジェストツールから抽出した数百件のキーワードを、これからカテゴリ分類しなきゃいけない…」と画面の前で固まっている方は多いのではないでしょうか。

トピッククラスター設計はSEO戦略の土台ですが、手作業でやるとまる1日かかることも珍しくありません。

実は、AIにプロンプトを正しく渡せば、200〜300件のキーワードでも数分で「ピラー/大カテゴリ/中カテゴリ/小カテゴリ」の階層に分類できます。

そこで本記事では、実務で使えるプロンプト例と、スプレッドシートにそのまま貼れる出力フォーマット、AIの出力を整える運用のコツまでを公開します。

目次

そもそもトピッククラスターとは?AIで設計するメリット

トピッククラスターは、サイトのSEO評価を効率的に高めるための情報設計の考え方です。

AIで設計するメリットを語る前に、まず構造を整理しておきましょう。

トピッククラスターの基本構造(ピラー/大/中/小カテゴリ)

トピッククラスターは、1本のピラーページ(柱となる包括的な記事)と、その配下に紐づく複数のクラスター記事で構成されます。

実務では、これをさらに細かく階層化して管理するのが一般的です。

  • ピラー(親テーマ):サイト全体の柱となるテーマ(例:「特定業界のサービス全般」)
  • 大カテゴリ:ピラー配下の主要な切り口(例:「料金・費用」「始め方」「リスク・注意点」)
  • 中カテゴリ:大カテゴリの中の具体的な論点(例:料金 → 「相場」「内訳」「比較」)
  • 小カテゴリ:実際に記事化するキーワード単位の粒度(例:相場 → 「月額平均」「業界別目安」)

この階層が整っているほど、内部リンク設計とコンテンツ網羅性の両方が効きやすくなります。

AIで分類するメリット(速度/網羅性/粒度の統一)

手作業のキーワード分類には、3つの限界があります。

AIを使うと、このすべてが解消できます。

1. 速度

300件のキーワードを人手で分類すると、慣れている担当者でも半日〜1日はかかります。

AIなら同じ作業が数分で終わります。

2. 網羅性

人間は途中で疲れて分類が雑になりがちですが、AIは最後の1件まで同じ精度で処理します。

3. 粒度の統一

複数人で分類すると「税金」「税務」のような表記ゆれが発生しますが、AIに「カテゴリ名は事前に固定する」と指示すれば一貫性を保てます。

AIでキーワードをトピッククラスター化する手順

ここからは実際の作業フローです。やることは大きく4ステップだけです。

① 分類したいキーワードリストを用意する

まずは分類したいキーワードを縦1列にまとめます。

CSVでもメモ帳でも構いません。

このとき「キーワードの並び順は変えてほしくない」と考えるケースが多いはずです。

後でスプレッドシートに貼り付けて元の順序と突き合わせたいからです。

これは後述するプロンプトで明示的に指示します。

なお、一度に処理させる件数は100〜300件程度が目安です。

それ以上になると、AIの出力が途中で打ち切られたり、後半になるほど分類精度が落ちたりすることがあります。

② プロンプトに「役割」と「出力フォーマット」を明示する

AIに分類を依頼するとき、最低限プロンプトに含めるべき要素は次の3つです。

  • 役割定義:「あなたは20年の実績を持つベテランのSEOコンサルタントです」のように専門性を持たせる
  • 設計思想:「トピッククラスターを意識した分類をしてください」と目的を明示する
  • 出力フォーマット:「キーワード/大カテゴリ/中カテゴリ/小カテゴリの4列の表で出力。1キーワードに対して1行(1セル)。順序は変えない」と明確に指定する

特に出力フォーマットは曖昧にすると、AIが箇条書きや散文で返してきて、スプレッドシートに貼れなくなります。

「表形式で」「タブ区切りで」「順序保持」は必ず入れましょう。

③ 出力をスプレッドシートに貼り付けて確認する

AIが出力した表をコピーして、スプレッドシートのA1セルに貼り付けます。

タブ区切りで出力されていれば、自動で列が分かれます。

ここで真っ先に確認すべきは、入力したキーワードと出力された行数が一致しているかです。

AIは時々、似たキーワードを勝手に統合したり、途中で抜けたりします。

行数が合わない場合は、その時点で再生成を依頼するのが早いです。

④ 階層が揃わない箇所だけ追加指示で修正する

初回の出力では、必ず「分類が浅すぎる箇所」と「逆に細かすぎる箇所」が混ざります。

すべてを最初から作り直すのではなく、気になった部分だけAIに追加指示を出すのが効率的です。

たとえば「大カテゴリしか必要ないキーワード(例:用語比較系)まで無理に中・小カテゴリを埋めようとしている」と感じたら、「大カテゴリだけで十分なキーワードは中・小カテゴリを空欄にしてください」と追加で伝えるだけで、すぐに調整してくれます。

実際に使えるプロンプト例(コピペOK)

ここでは実務でそのまま使えるプロンプトを3パターン紹介します。

手元のキーワードリストに合わせて使い分けてください。

基本プロンプト(大/中/小カテゴリに分類)

最もシンプルな分類プロンプトです。

まずはこれから試してみてください。

あなたは20年の実績を持つベテランのSEOコンサルタントです。
トピッククラスターを意識した設計をしたいです。
下記のキーワードを「大カテゴリー」「中カテゴリー」「小カテゴリー」に分類してください。

【条件】
・順序は変えない
・1キーワードに対して1行(1セル)
・各カテゴリーはキーワードの右に「大カテゴリー」「中カテゴリー」「小カテゴリー」の順で表にする
・カテゴリーの大きなものは無理に中カテゴリーや小カテゴリーを入れなくてOK

【キーワード】
(ここに縦1列でキーワードを貼り付け)

応用プロンプト①|ピラー列を追加して階層を1段深くする

基本プロンプトの結果を見て「もう一段上の親テーマ(ピラー)も付けたい」と思った時に使います。

最初からピラー列を入れて依頼すると、AIが粒度を揃えにくくなるので、基本プロンプトの出力が出てから追加で投げるのがおすすめです。

先ほどの分類結果をベースに、大カテゴリの左に「親(ピラー)」の列を作って〇を入れてほしい。 順序は変えないでください。

「〇を入れる」という指示にしているのは、ピラー名を毎行書かせるよりも、該当するピラーに〇を立てる方が後でフィルタやピボットが効きやすいためです。

応用プロンプト②|順序を変えずに1KW=1セルで出力させる

AIにキーワード分類を頼むと、よくある失敗が「似たキーワードを勝手に統合する」「順序を勝手に並び替える」というものです。

明示的に防ぐにはこう書きます。

全部出してください。
スプレッドシートに貼り付けられるようタブ区切りで出力してください。
重複しているキーワードもそのまま残し、順序は入力通りに保持してください。
1キーワードにつき必ず1行で、省略・統合はしないでください。

このプロンプトは、特に入力リストに同じキーワードが複数回登場する場合(手元の調査ツールを複数回したリストを統合した時など)に効きます。

AIは親切心で重複を消そうとしますが、明示的に止めることで元の構造を保てます。

AIでキーワード分類するときの3つのコツ

ここまでの内容を踏まえ、実務で精度を一段上げるコツを3つに絞って紹介します。

粒度を揃えるため「カテゴリ名は事前に固定」する

複数バッチに分けて分類すると、1回目で「料金・費用」と命名したものが2回目では「価格」になってしまうことがあります。

これを防ぐには、1回目の出力で確定した大カテゴリ・中カテゴリの一覧をプロンプトに渡してから2回目以降を実行するのが効きます。

「以下のカテゴリ名を優先的に使い、新規カテゴリの追加は最小限にしてください」と添えるだけで、表記ゆれが大幅に減ります。

大カテゴリしかつかないKWは”無理に中/小を作らない”指示を入れる

「用語の比較系」「業界全般を指す抽象キーワード」のように、本来は大カテゴリ止まりで十分なものまでAIが無理に中カテゴリ・小カテゴリを埋めようとすることがあります。

そこで、プロンプトには必ず「カテゴリの大きなものは無理に中カテゴリや小カテゴリを入れなくて大丈夫」という一文を入れておきましょう。

これがあるだけで、不自然な階層がぐっと減ります。

一度に処理させるKWは100〜300件単位に分割する

ChatGPTもGeminiも、一度に処理できるキーワード件数には実質的な上限があります。

500件を超えると、後半で分類が雑になったり、出力が途中で切れたりすることがあります。

実務的には100〜300件ずつバッチ処理するのが安定します。

バッチ間の粒度を揃えるために、前述の「カテゴリ名固定」の指示を併用してください。

分類後にやるべき仕上げ作業

AIが出した分類はあくまで「下書き」です。そのまま設計書として使うのではなく、人の目で仕上げる工程が必要です。

重複・表記ゆれの統合

スプレッドシートに貼った後、大カテゴリ列でフィルタをかけると、似た名前のカテゴリが複数立っていることがあります。

「事務所選び」と「事務所選択」のような微妙な揺れです。

ピボットテーブルでカテゴリ名のユニーク一覧を出し、似ているものを1つに統合する作業を最初にやっておくと、後の運用が楽になります。

ピラーページと配下記事のマッピング

カテゴリ階層が整ったら、「どのキーワード群を1本のピラーページに集約するか」「どのキーワードを個別記事として独立させるか」を決めていきます。

目安としては、月間検索ボリュームが大きく検索意図が広いキーワードはピラー化、検索意図が具体的なロングテールはクラスター記事化する、という分け方がシンプルで運用しやすいです。

内部リンク設計への落とし込み

最後に、ピラーページとクラスター記事の間で双方向の内部リンクを張る設計を作ります。

クラスター記事 → ピラーページのリンクは比較的張りやすいですが、忘れがちなのがピラーページ → 各クラスター記事への個別リンクです。

ピラーページの目次や該当セクションから、配下のクラスター記事に1本ずつリンクが張られている状態が理想です。

トピッククラスター×AIに関するよくある質問

ここでは実際にAIでキーワード分類をする方からよく寄せられる質問に答えます。

質問1. 何件くらいまで一度に分類できますか?

実務的な上限は1回あたり300件前後です。

それ以上を一度に投げると、後半の分類精度が落ちる傾向があります。

500件以上を扱う場合は、100〜300件ずつのバッチに分けて、カテゴリ名を固定しながら順次処理してください。

質問2. ChatGPTとGemini、どちらが向いていますか?

どちらも分類タスクは十分にこなせます。

実際に試した感覚では、ChatGPTはカテゴリ名のセンスが安定しやすく、Geminiは大量データの処理スピードと安定性に強みがあります。

手元のキーワードリストで両方試して、出力の好みで決めるのが現実的です。

質問3. 分類結果をそのまま使って大丈夫ですか?人の確認は必要ですか?

人の確認は必須です。

AIの分類は8割は妥当ですが、残り2割は微妙な階層化や表記ゆれが混ざります。

前述の「重複・表記ゆれの統合」「ピラーマッピング」の工程は、必ず人がやる前提で設計してください。

逆に言えば、AIに任せるのは「8割の下書き作成」であり、最後の2割を人が仕上げる役割分担にすると、品質と工数のバランスが最適化されます。

まとめ

今回はAIを活用してキーワードを「ピラー/大カテゴリ/中カテゴリ/小カテゴリ」に一括分類する方法を解説しました。

手作業で半日〜1日かかっていた作業が、適切なプロンプトを使えば数分〜十数分に圧縮できます。

「役割定義」「出力フォーマット」「順序保持」「階層を無理に深掘りしない」という4つの指示をプロンプトに盛り込むだけで、実務で使える分類結果が得られます。

ただし、分類はあくまでサイト設計の入り口です。

ピラーページの設計、クラスター記事への落とし込み、内部リンク設計まで含めると、人の判断が必要なポイントは確実に残ります。

AIで効率化できる工程と、人の経験で仕上げる工程をうまく切り分けて運用してください。

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